「世界最強」だけでは売れない時代へ
~戸出化成「エフエーボード」が今、問われているもの~
ノーブルテクノラボ が顧問として支援する戸出化成のプラスチック敷板「エフエーボード」。
耐久性、滑りにくさ、水に沈む安定性、リサイクル材活用――。現場性能だけを見れば、まさに「世界最強クラス」の敷板である。
しかし、現実は甘くない。
営業マンが汗をかき、レンタル会社へ通い続けても、販売は思うように伸びない。
これは、製品力不足ではない。
むしろ逆である。
「良い製品なのに売れない」という、日本の製造業が直面する典型的な壁にぶつかっているのである。
現在の土木建築業界は、大きな転換点に入っている。
インフラ更新、防災工事、災害復旧需要などにより、公共工事自体は底堅い。建機レンタル市場も中長期では成長が予測されている。
一方で、現場では深刻な人手不足、工期遅延、資材高騰が進み、「新製品を試す余裕」が急速に失われている。
つまり今の建設会社は、
- 「性能が良い」
では動かない。
- 「現場が楽になる」
- 「事故が減る」
- 「洗浄が簡単」
- 「運搬しやすい」
- 「レンタル回転率が上がる」
ここまで見えなければ採用されない時代になっている。
特に敷板市場では、アクティオ、カナモト、西尾レントオールなど大手レンタル会社が主導権を持つ。彼らは単なる敷板ではなく、
「保有管理しやすいか」
「洗浄ラインに合うか」
「現場教育が不要か」
「破損時の責任が少ないか」
を重視している。
つまり、これからのエフエーボード拡販に必要なのは、「世界最強」という言葉ではなく、
“現場経営に効く敷板”
として再定義することだ。
例えば、
- 洗浄機対応モデル
- 軽量化モデル
- 芝養生対応モデル
- NETIS・脱炭素対応
- リサイクル循環型モデル
- 災害復旧専用モデル
など、“用途別提案”への転換が必要になる。
さらに重要なのは、「売る」のではなく、
“レンタル会社と一緒に市場を作る”
という発想である。
建設業界は今後、DX化、BIM/CIM、人手不足対応、安全対策強化へ向かう。
その中で、現場負荷を減らす仮設資材の価値はむしろ高まる可能性がある。
エフエーボードは、まだ終わっていない。
むしろ今は、「第二創業」の入口かもしれない。
戸出化成に必要なのは、精神論ではない。
現場の困りごとを徹底的に拾い上げ、“売れる理由”を再設計することである。
ノーブルテクノラボとしても、単なる製品販売ではなく、
「建設現場の未来をどう支えるか」
という視点から、エフエーボードの再成長戦略を提案していきたい。