インフレーションフィルム印刷工程における局所排気装置対応の重要性
― 中小製造業に求められる「安全・法令・経営」の同時対応 ―
ノーブルテクノラボが技術支援を行っている広和産業(愛知県一宮市)では、インフレーションフィルムの印刷工程において、トルエンを中心とした有機溶剤を使用しています。近年、労働安全衛生に対する行政指導は全国的に強化されており、一宮労働基準監督署からも、従業員の健康障害防止を目的として、印刷部への局所排気装置の設置指導が行われています。
特にフィルム印刷工程では、溶剤蒸気が作業空間に滞留しやすく、長期的には頭痛・めまい・神経障害など健康リスクにつながる可能性があります。そのため、有機溶剤中毒予防規則に基づいた適切な排気設計、風量確保、ダクト設計、排気位置、定期測定などが重要になります。
現在、広和産業では局所排気装置メーカーへの見積依頼を進めておりますが、実際には単なる設備導入だけでは終わりません。設計内容について労働基準監督署への届出・確認対応、性能測定、作業環境測定、さらには設備投資負担への資金繰り対応まで、多面的な検討が必要になります。
特に中小製造業では、数百万円規模の設備投資が経営負担となるケースも多く、各種補助金・省エネ支援・安全対策助成制度の活用が極めて重要です。局所排気装置は「コスト」ではなく、従業員を守り、企業存続リスクを下げる“将来投資”として考える必要があります。
ノーブルテクノラボでは、局所排気装置メーカーとの技術調整、必要風量計算、監督署対応支援、補助金検討、さらに現場実態に合わせた“過剰投資にならない現実的設計”についても支援を進めています。
今後、中小製造業においては、「安全対策を行っている企業」が取引先から選ばれる時代に入っていくと考えられます。広和産業の取り組みは、その先行事例の一つと言えるでしょう。