日産スチール工業の「Freshmama(フレッシュママ)」は、食品ロス削減という極めて時代性のあるテーマを持ちながら、現在は市場拡大の踊り場に入っていると考えられます。一時はテレビ通販や輸出用途で注目され、月間300万枚規模まで生産が伸びたものの、その後は価格上昇と市場停滞のダブルパンチを受けています。しかし、ノーブルテクノラボの視点では、この製品は“終わった商品”ではなく、「用途転換」と「海外物流市場」で再浮上する可能性を持っています。
まず市場面では、食品ロス削減市場そのものは今後も拡大傾向です。日本でも食品廃棄問題は深刻で、政府・流通・輸出産業が鮮度保持技術に再注目しています。Freshmamaはエチレンガス分解機能を持つ特殊フィルムであり、青果輸出、長距離輸送、低温物流向けでは依然として技術優位性があります。特に東南アジア、中東向けの青果輸出では一定の可能性があります。
一方で競合は急増しています。現在は三菱ケミカル系、住友ベークライト系、海外では韓国・中国メーカーも鮮度保持袋市場へ参入しており、「高機能」だけでは売れにくくなっています。加えて量販店は価格重視へシフトしており、高付加価値フィルム単体では採用が難しい局面です。従来の“家庭向け便利商品”路線だけでは伸びに限界があります。
さらに2026年のイラン情勢は、石油化学原料価格と物流コストへ大きな影響を与えています。特にホルムズ海峡リスクにより、PE系樹脂、包装資材、輸送費の上昇圧力が強まっています。実際、食品包装・フィルム分野では原材料高・エネルギー高への警戒感が再燃しています。
